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Virtual Photographyのちょっと深いおはなし【色収差とビネット】

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ヴァーチャルフォトグラファー(Virtual Photographer)のみなさんも、まだそうでない方もこんにちは。
今回はレンズの特性を理解して、思い通りにレンズ設定を使いこなしてみよう、というお話の第3回です。

前回の記事

Virtual Photographyのちょっと深いおはなし【ボケとピント】

はじめに

今回はちょっとマニアックな色収差とビネット(周辺減光)のおはなしです。
そもそも色収差とかビネットって何?っておはなしなのですが、コレは前回記事のコラムでも扱った、ゴーストとかフレアと同じく、レンズを通して写真を撮った時に起こる現象のことなんです。
どちらも、写真においては基本的に「良くないもの」とされていて、写真編集ソフトなどでは色収差や周辺減光を補正して消す機能がついていたりします。
でも、最近の映像作品(特にアニメ)やイラストではあえてこういった表現が使われていたり、ゲーム内のムービーや視覚表現でもかなり多用されている印象です。

色収差って何?

ざっくり言ってしまうと、デジタルカメラで写真を撮った時に起こる色ズレのことです。
デジタルカメラは写真の色を赤青緑を使って表現しているのですが、レンズを通した光が撮像素子に到達するときに様々なずれ方をしてしまうことで特定の色がにじんだように見えてしまうんですね。
詳しくはコラムに回すとして、VPにおける色収差の使い方を考えていきましょう。

色収差の活用例


左が色収差なし、右が色収差ありです。どうでしょう、躍動感というか、疑似的なブレのようなものを表現することができました。
動きのないVPでも、少し色収差を加えることで、立体感が生まれたり、印象的な表現になることがあるので、いろいろ試してみると面白いかもしれませんね。

ビネットって何?

ビネットというとどこかオシャレな感じがするのですが、VPにおけるビネットは日本語で言うところの「周辺減光」です。途端に残念な感じがする不思議。
この「周辺減光」、難しい話はコラムに回すとして、つまり写真の四隅が暗くなるやつです。
やはりこれも、本物のレンズのメーカとしてはできる限り発生させないようにしているものですね。レンズのレビューなんかでも「開放付近の周辺減光が目立つ」なんて悪い意味で使われることが多いのですが、画像投稿のSNSサイトや写真アプリなんかでは「トンネル効果」と言われて被写体を際立たせるテクニックとして割と一般的になっています。

ビネットの活用例


右側にはビネットを追加しています。
ボケに加えてビネットを追加することで、被写体をより際出せることができますね。

ポートレートに限らず、何気ない景色でも少しビネットを加えることで、印象が変わることがあります。

コラム【実際の色収差とビネット】

せっかくなので実際の色収差を見てみましょう。


左が絞り開放で撮影したもの、右が少し絞って撮影したものになります。
左側の写真に写った樹の枝の周りがぼんやり紫色になっているのがわかると思います。これが色収差の一例です。
本来無い色が出てしまうので、「偽色」と言ったりもします。
ちなみに色収差にも種類があって、上の写真のように絞って改善するものは軸上色収差と言います。
倍率色収差というのもあるのですが、コレは絞っても消えることはありません。
で、なんでこんなことが起こるかというと。
デジタルカメラというのは色を赤青緑の三原色のデータで作っています。
レンズを通した光がセンサーに届くときに、それぞれの色のピントの合う位置がずれたり(軸上色収差)、それぞれの色の大きさ、つまり倍率が異なってしまった(倍率色収差)結果、特定の色がにじんだりしてしまうわけです。
実際のカメラではVPのように思ったようにコントロールできる部分ではないので、好まれることはあまりない印象です。

こちらは、周辺減光の実例です。


左が補正前で右が補正後。
右の方が本来の見た目には近づいているのですが、左の方が真ん中の被写体に自然と視線が向いて、印象的な写真な感じがしますね。
周辺減光悪くないじゃん!とも思えるのですが、この写真は日の丸構図だったから良かっただけで、必ずしもメインの被写体が中心にあるとは限らないので、難しい問題なんですよね。
トリミングしたりする場合にもあらかじめ周辺減光を取り除かないと残念なことになります。
ちなみに、先ほどの写真、盛大な色収差も出てましたね。地面の石ころ、手前が紫、奥が緑っぽくなってます。
色収差に関してはパッと見ではわかりにくいですが、補正前と補正後を色収差を比べると、少し印象が変わってくると思います。

ビネットに関しては、周辺減光の他にも「口径食」というものを意味することもあって、コレは写真の四隅の光量が落ちる他にも、周辺に行くにつれてボケが丸くならない現象も含みます。

コレは、絞り開放付近のレンズの向こう側を斜め向きから見たときに、正面から見たときはまんまるに見えていたものが、レモン型になってしまうことによるものです。
まんまるに比べればレモン型の方が入る光は減るし、真正面の光をそのまま受け取れる中心部分に比べて、四隅は距離が遠くなるのでこれも周辺の光量が落ちる原因になります。
いずれも、写真をやっている人なら誰でも気にしているようなモノではありません。実際私も、色収差も周辺減光もそのままにしてしまうことが多かったりします。とはいえ、知っているからこそ撮影する時点で、色収差が発生しないような設定をしていたりするわけで、やっぱり知っておくに越したことはないんですよね。

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