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カメラと写真 ゲーム

Virtual Photographyのちょっと深いおはなし【広角レンズと望遠レンズ】

DEATH STRANDING®

ヴァーチャルフォトグラファー(Virtual Photographer)のみなさんも、まだそうでない方もこんにちは。
今回はレンズの特性を理解して、思い通りにレンズ設定を使いこなしてみよう、というお話の第1回です(1回でまとめようと思ったけど完全に甘かった…)。

前回の記事

Virtual Photographyのちょっと深いおはなし【まずはじめに】

はじめに

カメラレンズのお話となると、やれ焦点距離とは…とか、被写界深度がどうの、みたいな話になりがちなんですけど、そういうことを丁寧にわかりやすく説明してくれているサイトはいくらでもあるので、ちょっと違った導入にしてみましょう。

さてさて皆さん、望遠レンズとか広角レンズって言葉はどこかで聞いたことあると思います。ない?なかったらごめんなさい。
まぁ字面を見ればなんとなく察しがつくと思います。
望遠レンズは、遠くの樹にとまってる野鳥や空の月、つまり遠くにあるものを大きく撮るためのものかな。
広角レンズは、大きい建物を撮ったり、ざっくり言えば広い範囲のものを撮るためのものだろうな。
みたいなイメージはできると思うんですよね。
その認識は決して間違ってないんですけど、カメラレンズの性質を理解する上では足かせになる場合もあるので、今はちょっと忘れちゃって、サンプルフォトを見ていきましょう。

広角レンズと望遠レンズの違い

歪み

まずはDEATH STRANDINGから。


真ん中のスライドバーを左右に動かしてみてください。
だいたい同じ範囲(画角)を撮影しているにも関わらず、だいぶ印象の違うフォトになっていると思います。
どういうことかと言うと、広角レンズというのは「歪み」が出やすいという特性があるんです。
この歪みというのは、条件にもよるのですが、20mm程度から顕著に出るようになります(人によっては70mmでも歪みを感じることもあるのですが)。

で、この「歪み」を利用して、左のフォトのように奥行を強調して迫力を出すのも良いのですが、右のフォトのように望遠にすることで、広角では入れることのできない左下の文字や、宙に浮かぶ石ころのようなものを入れることもできるんです。コレはコレでスピード感出ますよね。

ここまで読んで、「あれれ、どうして広角、つまり広い範囲が写せるレンズより望遠レンズの方が画面に入れられるものが増えるの?」と思う方も出てくるかもしれません。

圧縮効果

はい。ということで、お次はGhost of Tsushimaから。


今度は奥行のあるフォトです。左の広角レンズより、右の望遠レンズの方が人と人がぎゅっと詰まって奥行き感の薄いフォトになっていると思います。
コレは、「圧縮効果」と言って、望遠レンズで出やすい効果なんです。簡単に言ってしまえば、本来小さく見えるはずの遠くのものが大きく見えるので、距離感が圧縮されて見えてしまうんですね。
つまり、先ほどの“広角では入れることのできない文字や、宙に浮かぶ石ころ”というのは、画面の外側にあったのではなく、見えないくらい奥(遠く)と、広角レンズを使用した時のカメラ位置より手前にあったわけです。
フォトにおさめる情報量は、平面的な広さだけでは決まりません。奥行をどのようにとらえ、情報を取捨選択するかという考え方はとても大切です。

ボケ

では最後にHorizon Forbidden Westから。


全く同じ設定、同じカメラの位置で、レンズだけ切り替えたフォトです。右側の望遠レンズの方が、後ろの柱がしっかりボケているのがわかるでしょうか。
はい。条件が同じであれば、望遠レンズの方がボケやすいんです。また、被写体(ピントを合わせる対象)にカメラレンズが近ければ近いほど、ボケやすくなります。
ボケという要素には、絞り(F値)という設定が絡んでくるのですが、今はとりあえずF値という数値が小さい方がよりボケる、程度の理解でよいと思います。
広角や望遠を使い分けることで選択した情報にボケを加えることで、さらに見せたいものを際立たせる。これがレンズの設定の最も基本的な考え方になってくると思います。

コラム【標準レンズって何?】

Control

今回、広角レンズと望遠レンズについてお話しましたが、カメラレンズには「標準レンズ」なるものもあります。なぜ標準なのかは諸説あって、「注視していない時に肉眼で視認できる視野に一番近い」からなんていう説明をよく目にするのですが、まぁよくわかりません(笑)
一般的には50mm前後のレンズのことを標準レンズと呼ぶことが多く、現実でカメラを買うと、最初に買いがちなレンズでもあります(各カメラメーカーがお手頃価格の高性能50mm単焦点レンズ※を販売してる)。しかし、恐らく多くの方がこの50mmというレンズを使用すると、「狭いなぁ!」と感じると思うんです。何が標準なのさ?っていう。
というのは、普段私たちが利用するスマートフォンに搭載されているレンズが、だいたい26mmくらいなんですね。写ルンです(最早知らない人もいるかも?)の焦点距離は32mmです。望遠ではないのだけど、なんか狭い。それが50mmという焦点距離。
ゲーム内でも使ってみるとわかると思うのですが、この50mmという焦点距離は意外に使いこなすのが難しいです。程よくボケるものの、広角レンズのような歪みも出づらいし、望遠レンズのような効果も出にくい。なんでも撮れるけど、その分腕が試される。そんな焦点距離だと個人的には思っています。
試しに焦点距離を50mmに固定して、ゲームの世界を歩き回ってみてはいかがでしょう。新たな発見があるかもしれません。

※VPでは基本的に焦点距離を自由に変更できる、いわゆるズームレンズが採用されていることが多いのですが、現実のカメラレンズには「単焦点レンズ」なるものがあります。コレは何かというと、ズームが一切できないレンズのこと。Horizon Forbidden Westで採用されている焦点距離の設定は、1mmずつ調整できるズームではなく、大量の単焦点レンズを選べるイメージですね。
なんでそんな不便なものが存在し続けているかというと、単焦点レンズの方が、その特定の焦点距離においてはズームレンズよりも高い性能のレンズが作れるからなんですが…VPerには全く関係ない話だったりして。

フォトモード撮影解説まとめ

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