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カメラと写真 レビュー 量ってみた

Nikon Z30は普段使いの最適解かも【実写レビュー】

かれこれ15年以上Nikonのフィルム&デジタル一眼レフ機を使用してきたのですが、ついにZ30でミラーレス一眼デビューしました。
ミラーレスに完全移行したわけでではなく、あくまで、併用なんですけどね。

NikonのZ30というと、Nikon初のVlog向けカメラという印象が強いと思うのですが、私は動画はあまり撮りません。うそ。全然撮りません。
そんな私がなぜZ30を選んだのかというお話は、Z30で本格カメラデビューしたい方や、レフ機と併用を考えている方にも役に立つような気がしたのでつらつらと記録を残しておこうと思います。

外観

絶妙なサイズ感と操作性


Nikonのフルサイズ一眼レフ、D850と並べてみました。小さすぎず絶妙なサイズ。
常に持ち歩くという観点でいうと、実は重量よりも体積のほうが重要だったりするんですよね。
私がメインで使用しているD850はレンズも含めると30Lのザックの1/3くらい占有するのですが、Z30はサイドポケットに入ります。なんならコートのポケットにも入るかも。

Z7IIだってD850に比べれば小さいですけどね。フルサイズ機なので明るいZレンズをつけると、大して小さくも軽くもないんですよ。少なくとも重量やサイズで一眼レフと使い分けるような差はないと思います。
Z30は全体的に小型なDX(APS-C)レンズを装着すれば、ジップロックに入ります。雨が降ってきて不安だったらジップロックしてカバンに突っ込んでしまえばいい。

本気で撮影できるグリップ形状


グリップ形状がNikonのAPS-C最上位機種と比べて遜色ないレベルの深さがあります。私の手だと小指までしっかりかかって安心感があります。手の大きい人だと、さすがに小指がはみ出ちゃうかもしれませんが。
これは写真を撮影するうえでかなり大切なところなので嬉しいですね。

ファインダーがない


もちろんファインダーがないのはデメリットにもなるのですが、このファインダーが無いことによるサイズの違いは大きいです。Z30を手に取った後Z50を持つとやはり大きく感じるので。
また、趣味として使うならまだOVF(光学ファインダー)がいいと思っている私にとって、いっそファインダーを取り去ってくれたのは清々しいです。

右手だけでほぼ全ての操作が可能


一眼レフ機にあるような左サイドの物理ボタンは、「連射モードの設定」と「消去」ボタンだけです。あとは全部右側についているので片手で操作可能です。スーパーカブ的な思想を感じますね。これはスナップを撮影する上で素晴らしい設計。左手で荷物を持ったり、こどもを抱っこしながらでも撮影できちゃいます。

バリアングルモニター、いいかも


使ってみるととても便利です。特にローアングルの撮影時。バリアングルモニターがあると、縦撮りローアングルも楽に撮影できます。地面に這いつくばる必要がなくなりました。もちろん自撮りもラク。
そして、使わないときはモニターをしまうことができます。ファインダーも無いため、ゴチャゴチャしたカバンの中に無造作に放り込んでおけるのが嬉しいです。

USB給電しながら撮影可能


それもType-Cですよ。
Z50はType-Bで、充電中は撮影不可です。この違いはかなり大きいですね。写真撮影時のバッテリー切れにもモバイルバッテリーで対応できる安心感は大きいですし、動画の撮影だけでなく、ビデオチャットのカメラ替わりにも気軽に使えそうです。

実際に使ってみて残念だったところ

私の用途では限りなく100点満点に近い、大満足のカメラだったのですが、あえてアラを探せば不満がないわけでもありません。
どれも購入前に調べればわかるようなことですが、あくまで参考までに。

バッテリーの持ちは本当に悪い


先日、Z30を持って3時間ほどふらふらと撮影をしてきたのですが、途中280枚ほどでバッテリーが切れました。仕様では約330コマとなっていますが、こまめに電源も切っていなかったし、ちょっとムービーも撮ったりしたので概ね仕様通りかと思います。
なんですが、やっぱりバッテリー持ちが悪いのはきついですね。D850は仕様では1840コマです。実際、今までバッテリー切れで困った経験はなかったので、いざ体感すると衝撃的でした。
モバイルバッテリーとType-Cケーブルは持っていたのですが、実際につなげて撮影するとかなり邪魔なのであくまで緊急用なのかな、と思います。
コンセントが無くても充電できる、給電しながら動画や連続撮影ができる、のであって、移動しながらたくさん撮影する機会があるのならば素直に予備バッテリーは買っておいた方が良いと思います。
とはいえ、バッテリーの持ちはどのメーカのどの機種も同じようなものなので、Z30が特別劣っているわけではないんですよね。

やっぱりファインダーは大切

ファインダーの大切さというのはわかっているつもりだったのですが、写真は基本一眼レフでしか撮ってこなかったので、なくなってわかるありがたみはあります。
とにかく構図の細かいミスが多発します。特に背面モニターのISOなどの設定が並ぶ下部に、いろいろなものが写りこんでいても全然気づかないですね。撮影情報をいちいち消すのも面倒なので割り切って使っています。
車のルーフが写り込んでるのに気づかなかったショット。こればかりは慣れていくしかないのだと思います。
一発で確実に決めていく、というよりも、とにかく日常のシャッターチャンスを逃さない、細かい編集は後でやる、というスタンスでいれば何も問題はないのかなと思っています。

シャッタースピードは1/4000まで

コレ、実は購入してから気が付いたんですよね。ちゃんと仕様確認しとけよって話なんですけど。
いわゆるエントリークラスの一眼は1/4000までのことが多いようなのですが、Z30は操作感も写真もエントリーな感じがしないので、ちょっとびっくりしてしまいました。
ISOも100までなので、あまり明るくないキットレンズを使っている分には困ることはあまりないかもしれませんが、明るいレンズを使うときは注意が必要です。明るいレンズをつけっぱなしにするならNDフィルターを持っておいた方が良いかもしれません。

キットレンズは繰り出し操作が必要


キットレンズのNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3VR、収納時はコンパクトで写りも良いのですが、撮影時はズームリングを少し回して繰り出さないと撮影できません。コレがいざ使ってみるとかなり煩わしいです。
サッと取り出して撮ろうと思ったら、「ズームリングを回してください」の表示が出て撮影できないのが地味にストレスで、最近このレンズを装着しているときはレンズを繰り出しっぱなしにしています。

SDカードのスロットが2つ欲しかった


このクラスのカメラに望むことではないのですが、動画撮影機でもあるのでSDカード2枚挿せたらいいですね。写真と動画を別スロットに記録する、みたいな機能があったら嬉しい。なんていうのは建前で、プライベートではしょっちゅうSDカード挿し忘れる私にとってはダブルスロットは大切な保険なんですよね。最近はカバンに予備のSDカードを入れてます。

キットレンズ作例

以下はjpg撮って出しの作例です。
普段はRAW現像してしまうのですが、カスタムピクチャーコントロールはなかなか面白いです。ソンバーがお気に入り。
全体的にバランスよく、諧調表現も素晴らしいと思います。

ISO800 SP1/80s f/5.6 ピクチャーコントロール:スタンダード

37mm ISO800 SP1/200s f/5.3 ピクチャーコントロール:スタンダード

50mm ISO5000 SP1/2000s f/6.3 ピクチャーコントロール:ソンバー

36mm ISO100 SP1/20s f/3.5 ピクチャーコントロール:ソンバー

33mm ISO125 SP1/4000s f/5.0 ピクチャーコントロール:ニュートラル

32mm ISO640 SP1/30s f/5.0 ピクチャーコントロール:ニュートラル

購入の動機と経緯

需要があるかわかりませんが、私の購入の動機と経緯も書いておきます。同じようなことを考えている方もいるかもしれないので。
結論から言うと、
・あらゆる写真をフルサイズ高画素機で撮影するのがしんどくなってきた。
・ストリートスナップや、登山写真をガシガシ撮りたい。
・そしてどうせなら一眼レフとは違う写真が撮れるようなカメラが欲しい。

というのが購入の動機です。

このサイトに載せている写真もほとんどはD850で撮影してきたのですが、正直4575万画素はいらないんですよ。
JPG+RAWで一枚70MBくらいありますからね。カメラ側で画像サイズ落とすくらいなら、ハナから一回り小さいカメラを使いたい。
またここ数年、普段はどこに行くにもD850をぶら下げて写真を撮ってきたのですが、ふと自分の撮ってきた写真を見返すと、ストリートスナップ的な写真がほとんどないことに気が付いちゃったんです。
携帯していると言っても、それは目的地に着いてから撮影するためで、街中でD850のようなデカブツを振り回すのは、私の場合ちょっと腰が引けてしまってたんです。やっぱりフルサイズ一眼レフ機は存在感がすごいので。
そんなわけで、常に持ち歩いてサッと撮れるけど、写りは妥協しない、そしてD850とは毛色の違うカメラを探し始めました。

候補にあったカメラ

実は最初はNikon Z30は候補にありませんでした。
候補にあったカメラは以下の3機種。
いずれも2000万画素強のカメラです。

RICOH GR IIIx。

ポケットに入る最強のスナップシューター。
単焦点だからこそ迷わず撮れて写りもコンパクトデジカメとは思えないカメラです。
スマホでキレイな写真が撮れる昨今、数少ない存在意義のあるコンパクトデジカメですが、メインレンズが58mm f/1.4の私に40mmのf/2.8は焦点距離があと一歩足らず…。残念ながら却下。

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark III

D850よりはコンパクトで、防水防塵。
個人的にどうも「堅牢性」というワードに弱く、娘もTough TG-6を使っているので、一緒に持って登山なんか楽しいだろうなぁなんて思ったのですが、やっぱりマイクロフォーサイスはしんどい…。50mmのレンズが100mmになっちゃうんですからね。んー却下。

FUJIFILM X-Pro3

富士フィルムの誇るドの付く変態カメラです。
通常形態では背面モニターが確認できず、ファインダーはEVFとOVFが切り替え可能でチタン製。
銀塩カメラに魂を置いてきてしまったオッサンを全力で仕留めにかかってきてるめんどくさい(誉め言葉)カメラなんですが、私の場合、まだNikon F3やいくつかのレンジファインダー機が現役で動いているので、わざわざそこに突撃しなくてもよいかな…と。却下。

もうね、Nikon以外で心機一転違う写真が撮れないかと模索してみたんですけど、勇気がありませんでした。
で、やっぱりNikonなのかなぁと、ヨドバシのNikonコーナーでZ7IIのEVFを覗いてため息をついていたりしたんですが、なんとなく隣のZ30を手に取った瞬間にビビッときちゃったわけです。

NIKKOR Z 40mm f/2がとてもいい


キットレンズのNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3VRも、35mm換算で34-75mm程度と、普段使っているAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRに近い焦点距離でかなり使い勝手がいいです。
でもせっかくの一眼。気に入った単焦点レンズがあったら最高。私は普段D850のメインレンズとしてAF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gを使用しているのですが、このNIKKOR Z 40mm f/2はかなり方向性の近いレンズに感じました。単純な解像性能だけでなく、ボケ味的な部分に力が入っている感じです。
開放はf/2ですが、そこはコンパクトさとトレードオフでしょう。
Z30に装着したときのバランスもよく、こんなレンズがあるなら、とZ30に手を出す大きな動機になりました。

一眼デビューにZ30はどうなのか

ここまでは、ある程度本格的なカメラを使っているうえでの正直な印象を書いたので、多少視点が厳しめですが、いままでコンパクトデジカメやスマホでしか写真や動画を撮影してこなかった方であれば、割と安心してオススメできるカメラだと思います。
もうすっかりカメラの世界に両足を突っ込んでる人間が、初心者の視点で語るのは難しい部分があるのですが、ちょっとお話してみましょう。

Nikon Z30とはどういうカメラなのか

ここ数年、Nikonのカメラは割と低迷気味の印象だったのですが、Z9といういわゆる「フラッグシップ」と呼ばれる最上位機種の登場で勢いを取り戻したように感じます。で、このZ9というのは動画性能がすさまじいミラーレス一眼カメラなんですね。
今までNikonの動画はダメだと言われてきて(実際ダメダメだったんですけど)、そのあたりの汚名が返上された勢いで出てきたのがこのZ30というカメラなのではないかと思います。
Nikonのミラーレス一眼には、フラッグシップのZ9、上位機種のZ7IIに連なるフルサイズの上位機種とZ50というAPS-C機があります。
このZ50の見た目をクラシカルにしたのが、Zfc、Vlog仕様にしたのがZ30という感じです。

また、Z30は一番新しいカメラでもあるので、ボタン位置が調整されていたり、USBがType-Cになっていたりと地味に嬉しい改善もされています。

一眼デビューするうえで本体価格が100万近いZ9は選択肢に入ってこないと思うので、まずはフルサイズかAPS-C機の選択になるのですが、フルサイズは価格が高いだけでなく、性能を引き出すためのレンズのサイズも大きい上に高価です。必ずしも「大は小を兼ねる」わけではないんですね。
明確な理由がない限りはAPS-C機でも問題はありません。

Nikonの一眼カメラである、ということ

Nikonの一眼カメラを買う、と言うのは、つまりNikonというメーカのレンズマウントに縛られるということです。
レンズマウントというのは、レンズを取り付ける部分のことで、これはメーカごとに大きさが違い互換性がありません。アダプタでつなげることもできますけどね。
Nikonのミラーレス一眼はZマウントというものを採用しています。より高性能のレンズを開発するために一眼レフで採用していたFマウントから一新したため、まだまだレンズの数は少ないものの、どれも軒並み性能の良いレンズです。
Zレンズを使える比較的安価なカメラで、かつ動画もしっかり撮れるという意味で、一眼デビューを考えている方やミラーレスを試してみたい方には結構刺さるカメラになっていると思います。

重さを量ってみよう


バッテリー、SDカードを入れた状態で401g。軽い。軽すぎて笑えてきますね。


キャップなしで131.2g。こちらも軽いですね。落としても気が付かないかもレベル。おもちゃみたいですけど、これであれだけ撮れるんだから冗談みたいなレンズです。

さいごに

動画を全然撮らないカメラマンのVlog機レビューということで、ちょっと謎めいた記事になってしまいましたが、誰かのお役に立てていたら嬉しいです。
今のところ動画は全然撮影してないのですが、動画初心者的な立場でムービーを撮影することがあったら、その時はまた記事にしてみようと思います。


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