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カメラと写真 レビュー 量ってみた

TTArtisan 7.5mm f/2 C Fisheye 気軽に楽しめる魚眼の世界【実写レビュー】

Nikon Z30用にAPS-C用魚眼レンズを買ってしまいました。
Z30と組み合わせた操作性なども含めてレビューしていきましょう。

購入経緯

Zマウント用の純正魚眼レンズは、2023年1月現在、まだ発売されていません。
性能だけで選ぶのであれば、マウントアダプタ(FTZ II)でFマウントのAF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E EDを取り付ければ間違いないのでしょうけど、本体(Z30)よりデカくて重い、それも定価15万オーバーで保護フィルターもつけられない、フードでもカバーしきれない巨大な前玉のついたレンズを気軽に持ち運べるかって言うと、まぁ私は無理かな…と。
必然的にサードパーティー製のレンズから選ぶことになるのですが、まぁ調べてもあまり情報がないんですよね。ということで、価格とカタログスペックと見た目だけで選びました。

実写サンプル

画像をクリックorタップすると拡大表示されます。トリミング無し、露出以外の補正なしです。

ISO200 SP1/4000s f/2.0

最短撮影距離でカマキリ接写。全体としては面白いですけど、被写体が小さい場合は撮影倍率が低いので被写体自体への影響はそこまでないですね。犬猫や人サイズなら面白くなりそう。

ISO800 SP1/60s f/11

真四角なものを撮るのは楽しいです。f/11まで絞っていますが、画面端に写っている遠くの建物もそれなりにしっかり描写されています。

ISO400 SP1/40s f/8.0

焼肉屋さんの大きなテーブルが全部画角に収まります。むしろ余計なものが写り込まないように気を使うかも。

ISO2500 SP1/80s f/11

何気ないスナップでも面白いものが撮れますね。

ISO1250 SP1/3s f/11

かなり遅めのシャッタースピードでも手持ちで撮れちゃうのが魚眼レンズの楽しさかもしれません。

ISO640 SP1/6s f/11

こういうの、一度撮ってみたかったんですよね。カメラの向きによってかなり歪曲の仕方が変わってくるので、ロール・ピッチ・ヨー全軸をいろいろ回転させて試行錯誤するのが楽しいです。

ISO640 SP1/6s f/11

画面左上、七角形のゴーストが写ってます。最近のレンズは絞り羽根の枚数も多いので、こういうゴーストの出方はむしろ楽しいかも。ガンガン出していきたい。

ISO1250 SP1/8s f/11

距離による光芒の出方の違い。手前側の大きな光源だと弱いですが、奥の点光源に近いものになってくるとしっかり光芒が出ます。

ISO1250 SP1/30s f/11

電話ボックスの中に入って撮ってみました。狭い空間こそ魚眼レンズの本領発揮です。

ISO500 SP1/8s f/11

やや引き気味でしゃがんで撮影。奥に続く道の遠近感を出しつつ、自転車がアンダーになるくらいの設定にしてみました。現像段階で調整すれば締まった画になりそうです。

ISO3200 SP1/80s f/11

f/11まで絞っておけば、そこまでピントに神経を使わなくてよくなるので、とっさにスナップが撮れて意外と使いやすいです。

ISO1000 SP1/100s f/2.8

大盛ラーメン。見切れるくらい近づいてテーブルフォトを撮ると迫力が出て面白いですね。

ISO100 SP1/640s f/2.0

フェンス越しの電車。どれくらい歪曲するかがよくわかります。ちょっと斜めっちゃったんですけど、歪曲が強いので後からトリミングで補正かけるのはちょっとひと手間かかるかもしれません。

ISO100 SP1/60s f/11

絞った時の描写性能はなかなかだと思います。地面の落ち葉から奥の木々まで結構しっかり描写されてます。

ISO100 SP1/125s f/5.8

変な体勢で少し絞りを開いて撮影したら、ちょっとピンボケしちゃいました。こういう時はめんどくさがらずしっかりピント合わせするか、ある程度絞った方が良さそうです。

ISO320 SP1/125s f/2.0

一番手前の山茶花の花にピントを合わせたつもりが少し甘いですね。少し絞っても良かったかもしれませんが、背景の雰囲気を優先しました。細かいもののボケ方はややざわつきます。魚眼レンズを使うのは初めてなのですが、思ったよりよくボケるな、という印象です。寄った時の被写界深度は結構浅いのでピント合わせは慎重に。

ISO320 SP1/125s f/2.0

純正レンズと比べたら描写性能は落ちますが、解放でこれだけ写っていれば十分じゃないですかね。そんなコト気にならないくらい全体の印象が面白いです。

レンズの概要

APS-C使用時で画角180°の対角線魚眼レンズです(写真の四隅はレンズの真横まで写るということ)。
魚眼レンズには円周魚眼レンズというものもあって、こちらは写真の四隅まで写らず、大きくケラレるのが特徴です。
焦点距離は35mm換算で約11mm。絞りはf/2.0~11。レンズ構成は8群11枚で、絞り羽根は7枚。
Nikonの純正レンズと比べると、ピントと絞りリングの回転方向が逆なのは注意です。

長所短所をざっくりまとめましょう。

長所:
・純正レンズ程ではないが、十分シャープな描写で魚眼を楽しめる
・色収差はやや出るものの補正の効く範囲
・周辺減光はほぼ感じない
・作りがしっかりしている
・圧倒的に安くて明るい

短所:
・電子接点がないので実質マニュアルレンズ
・金属製なため重い
・フードがフワッとかぶせるだけなのでつけっぱなしで持ち歩くとすぐ落ちる

ちょっと詳しく説明していきましょう。

見た目

文句なしにカッコイイと思うのですけど、いかがでしょう。フードは取り外しできませんが、邪魔になる大きさでもないので問題無いと思います。
絞りリングとピントリングはやや狭いですが、操作上そこまで気になりません。絞りリングは若干のクリック感があり(Nikonのオールドレンズ程ではない)写真撮影時には気持ちいいのですが、動画撮影時には本体マイクで音を拾ってしまいますね。
張り出した前玉は上下のフードよりは引っ込んでいるので、レンズを下向きに平らな場所においてもレンズ自体はぶつけません。また、レンズ自体には結構強度がありそうです。一度木製の扉に思いっきりぶつけてしまい、レンズに白い線が入ってしまったのですが、拭いたら落ちました。どうやら扉の塗装の方がはげたっぽいです。付属のフード兼キャップとND1000の背面フィルター。付属品はコレと説明書だけです。
キャップは真ん中がねじ込み式で外れるようになっており、フルサイズ機に取り付けて円周魚眼レンズ的な撮影が楽しめるようになっています。ただこのフード、かぶせるだけなので左右にガタつきます(左右のレンズ側フードが上下に比べ低いため)。使い心地はあまりよくなさそう。本当にすぐ落ちます。
見ればわかりますが、電子接点はありません。でも作りはしっかりしてますね。純正の餌撒きレンズのプラスチック感を見た後なのでなおさらかもしれませんが、お値段考えると、かなりいい作りだと思います。
NDフィルターはココにねじ込みで取り付けます。前玉にはフィルターつけられないのでこうするしかないんでしょうね。付属でついてくるのはND1000だけですけど、オプションで他のフィルターとかも売ってるんでしょうか?私は見つけられてません。正直もう少し明るいフィルターがあってもいい気はしますけど、値段考えたら文句は言えないです。
Z30取り付け時。やーカッコイイ。サイズ感もピッタリです。純正レンズのデザイン、私はあまり気にしたことなかったのですが、コレ付けちゃうと野暮ったさ感じちゃいますね…
うん、カッコイイ(他に言うことない)。
正面から。前玉大きいのいいですよね。見た目的に。カメラって持ち歩くものなので、私は見た目って大切だと思ってます。

重さを量ってみよう


裏蓋、レンズキャップ、フィルターなしで370.0g。大きさを踏まえるとかなり重いです。Z30本体が401.0gで、NIKKOR Z 40mm f/2は166.8gですからね。このレンズを取り付けると、ネックストラップでぶら下げたときにそれなりの重量感がありますし、Z30に取り付けるとレンズ側に傾きます。

お試し魚眼レンズはこれで十分

実は中華レンズは初購入でした。でも実際使ってみた感じ、何の問題もないですね。
ただし、実は最初に買ったレンズは本体にがたつきがあったので、購入したヨドバシカメラで無償交換してもらいました。このあたりが中華レンズなんですかね?何かあったら交換してもらえるようなところで買った方が良いかもしれません。
純正の魚眼レンズはサードパーティー製しか選択肢がなく、情報も少ないので、自分で買って試すしかないのが現状です。他にもいくつか選択肢はあるみたいなのですが、とりあえず私の購入時はこのレンズが一番明るく、カッコイイ(何度も言うけどこれ大事)レンズでした。開放値にこだわりが無ければ、パンケーキ形のレンズもあったので、もう自分で買って試すしかないと思います。
他に良いレンズがあったらむしろコメント等で教えてください。

マニュアルレンズであるということ

忘れてはならないのが、このレンズ、電子接点なしのマニュアルレンズだということです。
つまり、マニュアルモードであればISO感度、シャッタースピード、絞り値、ピントをすべて自分で設定する必要があります。絞り優先オートにして、ISO感度もオートにすれば、絞りとピントに集中することも可能です。
また、カメラ側でも絞り値の表示がされないのでレンズの絞りリングを確認するか、身体で覚えていくしかありません。
ミラーレス全盛の現在、撮影結果に関してはリアルタイムで確認ができるため、そこまで恐れおののく必要は無いと思いますが、今までオート撮影に頼りきっていた場合は、まぁいい機会と思って頑張るしかないかと…
一応救いなのは、魚眼なので手振れには強いということ。スローシャッターでも意外とブレません。夜でも気軽に撮影が可能です。

ミラーレス機(Z30)に取り付けた場合の設定

前提として、「レンズ無しレリーズ」を許可すること。電子接点がない→カメラがレンズを認識しない→つまりレンズがついていないのと同じなわけです。ピント合わせの補助として、フォーカスピーキングもONにしておくとピント合わせの目安になります。また、Nikonの一眼は、セットアップメニュー「レンズ情報手動設定」の項目でレンズの登録はできるのですが、そもそも選択肢に7.5mmという設定が存在しません(仕方ないので、私は一番近い8mmに設定してます)。
もっと言うと、電子接点がない、つまりレンズ自体を認識できないため、撮影した後の写真の管理はやや面倒です。Lightroomで写真を整理する場合でも、キーワードタグを入れたり、Exifデータを編集できるツールなどを導入するしかなさそうです。いずれにせよ、撮影時は「レンズ情報手動設定」で設定をしておくと、簡易的な目安になるので、電子接点のないレンズを複数使用する場合は利用してみましょう。

さいごに

魚眼レンズは、実際のところ汎用性の高いレンズではありません。
高価だとなかなか手を出しづらいのが正直なところなのですが、これくらいのお値段であればちょっとお試しで手に取ってみることも可能かと思います。
まだまだ純正Zレンズの選択肢の少ない現状では、こういった安価なサードパーティー製レンズが出てくれるのは素直にうれしいですね。

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