年末から年始にかけて、6歳の娘が「登山&キャンプに行きたい」というので、1月半ばにキャンプ決行したのだけど、案の定、親だけ風邪をひいたよね。
氷点下だったもん。川、凍ってたし。
一応、昔から雪中での野営はやっていたので、それなりの装備は持っていたのだけど、装備といっても自分ひとり分だったわけで。
娘も夜になったらギブアップして、お母さんの寝ているバンガローに逃げるだろうと思っていたら、ツェルトの中で絵本の読み聞かせ後、私の冬用シュラフで爆睡。
「え?パパ、夏用シュラフしか持ってないよ?」仕方なく持てる装備を全部かき集めて夜を越そうとしたけど、まぁお察しの通り、朝まで寒さに凍えることに。
というわけで、買ったよ、買いましたよ。冬用シュラフ。まぁ防災用品としても使えるし、無駄にはならないでしょう。
目次
エアドライト480を選んだ理由
結局購入したのは、イスカのエアドライト480(Air Dryght 480)。春秋用シュラフだ。
ダウンプラス ポカラXとか、ダウンプラス ニルギリEXあたりも考えたのだけど、ニルギリEXの羽毛量700gは完全な冬用シュラフで、大きさ的にも30Lのザックにはまず入らない(圧縮しても他のものがほとんど入らない)。春秋でも暑くて使えないことがありそうだし、ポカラXを買うなら、少し背伸びしてもう良いものを。ということでエアドライト480にした感じ。
イスカ(ISUKA)シュラフの種類
イスカのシュラフはざっくり6つの大まかな種類がある。
ざっくり言えば、保温材の種類がダウンか化繊、ダウンであればフィルパワー(FP)が高いほどよく膨らんで暖かく、化繊にもランクがある感じ。
基本的には左に行くほど高性能で、値段も高くなる。
重量や体積を気にしなければ化繊でもよいと思う。
ダウンの中ではエアドライトのみ撥水ダウンを使用している。
これくらいわかっていればOKだろう。
製品名 | AIR PLUS | AIR DRYGHT | DOWN PLUS | RECTA | ALPHA LIGHT | BASIC |
主な仕様 | 800FPグースダウン | 750FP撥水ダックダウン | 720FPダックダウン | 620FPダックダウン | 化繊(Micro Lite) | 化繊 |
実際に使ってみた
前回の反省を活かし、2月の頭にキャンプ再挑戦。
しかし、今度は氷点下4℃。さすがの娘も尻込みしたのか、「ママと寝る」とバンガローへ。
え、これ、買う必要なかったんでは?
家族の夕ご飯や寝支度を整えて、一人寂しく深夜の設営作業。
露出上げてるけど、真っ暗だし、こんな時期なのでバンガローから離れたテントサイトは自分ひとり。
なんでソロキャンプしてるんだ?悔しいので、普段あまり飲まないお酒を温め、カップラーメンを食べながら無駄に火を眺める。
今回の装備はエアドライト 480の中にマムートのMeron Light IN Jacketと、ワークマンのダウンパンツ。下にはエアマットという仕様。ツェルト内はほとんど外気と変わらない温度。
結果としては、まったく寒くない。
試しに上記のダウンジャケットとパンツを脱いでみると、さすがに少し寒かったので、氷点下4℃という環境だと、やや辛いけど、寝れないことはないかな、という印象。
とはいえ、氷点下の環境であれば、外で活動できる衣服を着ているはずなので、そのままシュラフにもぐりこめばスペック通りの氷点下6℃はクリアできそう。
足元に多めにダウンが詰め込まれているのと、ジッパーの内側にドラフトチューブ(風防みたいなもの)がついているのが大きいのだと思う。
所有シュラフの比較
所有しているシュラフ全てではないが、主に使用しているシュラフを比較してみよう。
左から、イスカのチロル、エアドライト480、BIG PACKというドイツメーカのシュラフ。
夏用、春秋用、冬用という感じで、割とバランスの良い組み合わせだと思う。
BIC PACK
BIG PACKというドイツのアウトドアメーカのシュラフ。
祖母が四半世紀前にエベレスト登山に行ったときに使用していたもの。
私の使っているシュラフの中では一番暖かい。
ダウン650g。フェザー(重量部)20%ということで、結構フェザーがもれてくるのが残念。
とはいえ、このシュラフで何度も氷点下20℃以下の場所で野営してきたので信頼感がある。
斜めに走るジッパーが、なにげに開け閉めしやすい。
足元に仕切りがあるのだけど、コレは両足を別々に入れると暖かい的な仕様なのだろうか。
重量は1430g。まぁ、最近の同レベルのシュラフよりは少し重いかな。という印象。
イスカ エアドライト480
今回装備に加えた、イスカのシュラフ。
BIC PACKのシュラフ同様、ショルダーウォーマーがついているので、ぎゅっと絞れば空気が逃げずに暖かい。
足元にはフットボックスがあり、多めにダウンが入っていて冷えづらい。
使うかわからないけど、下からジッパーを開くことも可能。
重量は888.5g。この暖かさで1kg以下なら割とためらわずに持っていけそう。
イスカ チロル
高校1年生の頃から、もう20年近く使っている夏用シュラフ。アメリカ東海岸やイギリスのエセックス州、台湾の台北など、割と世界各国の野営地を共に渡り歩いている相棒。かなりハードに使用しているけど、破れたりダウンがもれたりということも皆無。
今はチロルXという新しい製品になっているらしい。
これといった機能はないけど、よほど寒くない時期はコレで十分。シュラフカバーを使えば、春秋の割と寒い時期でも仕様できる。
重量は691.5g。エアドライト480と比較すると約200gの差だけど、重量というより、コンパクトさが重要かな。
シュラフの選び方
私はテント&シュラフ泊は150泊くらいしかしたことがないし、シュラフも過去に5つくらいしか使ったことがないのであまり詳しくはないのだけど、シュラフ初心者向けくらいの感じで、簡単に選び方を紹介しようと思う。
寒さを基準に選ぶ
まずは寒さを基準に考えるべきだと思う。
私のように真冬に夏シュラフでツェルト泊しようなんてのは、とがった目的でもない限りやらない方が良い。
基本的には快適温度を基準に選ぶこと。「限界温度」というのは、何の工夫もしないで寝れなくもない(死にはしないけど正直めちゃくちゃ寒い)くらいの基準と考えた方がよい。
実際、寒いところで寝泊まりするモノ好きの人たちは、シュラフの中にいろいろ詰め込んで、シュラフカバーを付けたり、ザックに足を突っ込んだりしてることが多いと思う。
また、春秋用は夏にも使用できないこともないし、冬用で春秋に使えないこともないけど、わざわざより大きく、重いシュラフを携帯していく必要があるかは冷静に考えるべきだ。
重さ、大きさを基準に選ぶ
あくまで、寒さの基準をクリアした後に考える項目。
車でキャンプ場に行くような場合は考える必要ないけど、登山を吹くような場合はかなり重要。
とはいえ、シュラフ泊に慣れないうちは、頑張って暖かいシュラフを担いでいく方が無難だと思う。山の上でろくに寝れずに次の日も活動するというのはかなり危険なので避けるべき。
私も寝不足でひどい目にあったことがある。
大きさに関しては、羽毛タイプのシュラフであれば圧縮するという方法もあるので、シュラフ用圧縮バッグを活用してみるのも手だ。
シュラフ本体以外のアイテムと組み合わせる
シュラフにはゴアテックス製などの防水カバーがある。
シュラフカバーはシュラフが濡れることを防ぐ他にも少し保温能力を向上する効果もあるので、活用してみるのも手だが、まず濡れるような環境でシュラフ泊をしないのであれば、ちょっとやりすぎ感があると思う。ゴアテックス製だと高価だし。あくまで、シュラフカバーが必要な人が使う運用する方法だろう。
一番簡単なのは、衣服を着こんで、着ていない衣服やタオルなどを全部シュラフの中に突っ込むというもの。空になったザックに足を突っ込むのも効果的。
持っているものを活用することで、荷物を減らしながら快適温度を下げていく方法を自分なりに模索してみてもよい。
マットは必須
季節やシュラフのレベルは関係ないと思った方が良い。
とにかく、日中に熱中症警報が出るような環境でない限りは、地面(テントやツェルトの床)に直に寝ない方が良い。深夜から明け方にかけて寒さで目覚めることになる。
また、万が一寝ている間にテントやツェルトが浸水したり、水分をこぼしたりしたときにも、シュラフが濡れないで済む確率が上がるので、基本は必須装備を考えよう。
最終的には用途とバランス
寒さという感覚は人によって違うので、自分にとっての最適解は自分で探すしかない。
最初は寒さ的に安全策をとって、徐々に快適に過ごせる装備を整えてみよう。
私は昔は60Lのザックを使用していることが多かったので、寒冷地であればフル装備で行っていたけど、最近は30Lのザックで軽量装備のことが多い。
用途としては主に、娘と低山に登るときや、キャンプ場でのテント泊だ。
娘と山に登るときは、ツェルトと夏用シュラフを携帯する。万が一の時には、雨風をしのいで、娘をシュラフに包んでおくためだ。
基本低山しか行かないので、シュラフはなくてもツェルトがあれば自分は死なないだろうという判断である。