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おはなし 料理 量ってみた

ドリアンの重さを量りながら食べてみよう

「明日食べたいものある?」
何気なく寝る前の娘に訊ねてみたところ、「あの、トゲトゲの臭い果物」。
え。ドリアン?そういうこと、訊いたんじゃないんだけど。

もしかすると、二度と自分で買って食べることもない可能性もあるので、せっかくだから食べるついでに重さを量ってみた。

見た目と質感

購入にあたって、生まれて初めて手に取ってみたが、質感は熟していないパイナップルに近い。
トゲはかなり硬く鋭いので、これが樹の上から落ちてきて直撃したら血だらけだろう。
全体的に茶色く、ところどころ亀裂が走っている。
あまり調べずに食べてしまったが、どうやらそれなりに食べごろの状態だったようだ。

匂い

正確には「臭い」と書きべきだろうか。
「くさや」や「臭豆腐」をおいしく頂ける身としては、たいしたことないな、というのが第一印象。
「臭豆腐」が明らかに排泄物系の臭いなのに比べると、ドリアンは「腐っていない餃子のタネ」の臭い。
換気扇で十分対応できるレベルだ。

調理

中身がどうなっているか、イマイチ知識がないまま包丁を入れてみる。
パイナップル的な第一印象そのままに、まずは下部を切り落とすと、なんとなく構造が理解できた。
おそらく複数の実がミカンのように配置されているのだろう。
包丁で軽く切り目を入れて、手で割ってみた。

割ってみても特に臭いが強くなる感じもない。

中の可食部を傷つけにように取り出していく。
やはりミカンのような柔らかさ。皮との間に隙間ができているため、取り出すのはそこまで苦労しない。

かなり純粋な甘み。口の中に広がるカスタードクリームのような濃厚な甘みの中に、火の通ってない餃子を食べてしまったような生臭さと生ネギ系の辛みが潜んでいる。
噛みしめる程にあふれ出す餃子感。おいしくない。これは、おいしくない。
映画『おもひでぽろぽろ』で、熟してないパイナップルを食して家族全員が何とも言えない空気になるシーンがあるが、我が家で再現する日が来るとは思わなかった。
どうやら、可食部の中にも、重たいクリーム状の純粋な甘みを持つ部分と、嚙み切れる程度の繊維質の部分があり、この「繊維質の部分」に餃子のタネ的臭みと生の玉ねぎのような辛みがあることが分かってきた。
もちろん私以外の家族にそのような探究心はなく、娘も「大好きな食パンに挟めばおいしいのではないか」などと健闘していたが、断念したようだった。
父としても、「一房だけでいいから食べなさい」と言える味ではないので、無言で二房食べてふて寝することにした。
食べてしばらくすると、身体が温まってきて、少し脈が速くなる。食べ過ぎると危険と言われるのも道理である。

重さを量ってみよう

全体で1973g
取り出した中身は872.5g
22.6g(この大きさの種がおおむね5つ含まれている)
以上の計測から、
872.5‐(22.6×5)=759.5
1973gのドリアンの可食部は759.5(約0.38%)であることがわかった。
ちなみにこのドリアン、4000円したので、100gで527円ほどの果物であることがわかる。なかなか高級である。

まとめ

正直、この臭みと甘みの奥に潜む辛さに、多くの人が熱中するとは思えない。
別件で母と電話で話したときにドリアンの話をしてみると、本場で食べたことがあるとのこと。
以前、海外に行ったときに知り合いがドリアンを用意してくれていたらしい。
購入したドリアンはベランダに置かれていたらしいが、マンションの入り口に入った時点で異臭が漂い、臭いは猫の排泄物に近いものだったとのこと。
また、繊維質はなく、可食部すべてがトロトロで甘いレアチーズケーキのような味で、その日は自分の呼気の臭いで目が覚める程だったらしい。

こういった話を聞くと、我が家で食べたドリアンはまだ完熟していなかった可能性が高い気がする。
また、それだけ強い臭いを発するとなると、輸入して日本の店頭に並べるのはかなり難しいしだろう。
熟していない段階で輸入しているか、なんらかの品種改良がされているのだろうか。
また、ドリアンにはいくつか品種があるらしいので、そもそも違う品種を食べていた可能性もある。

輸入した食品の評価は難しい。
ドリアンは果物の王様と呼ばれるらしいが、私としては、『おもひでぽろぽろ』風に、「果物の王様は、バナナだった」とつぶやきたくなる。
今では完熟したパイナップルやマンゴー、ライチなども日本の一般家庭で楽しめることができるが、おそらくドリアンはまだその域に達していないのだろう。

まぁ、いずれにせよだ。完熟したとして、濃厚なカスタードクリーム、あるいはレアチーズケーキのような味が楽しめるとしても、臭いは通報されるほど強くなるようだし、日本で購入する場合は4000円から7000円することを考えると、素直に自分でレアチーズケーキを作るか、4000円分の桃を買ってきた方が家族皆で幸せになれる気がする。
我が家でリピートすることはないだろう。
いつか、本場で食べる機会があったら、チャレンジしてみたいと思う。

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