第18回タムロン・マクロレンズフォトコンテスト 銅賞を頂きました。
使用機材:NikonD850 AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED SP1/50s f/3.2 ISO2000
選評
赤ちゃんなのに力強い。かわいいのにかっこいい。この対比が印象に残って選ばせていただきました。子どもを撮る時、皆さんかわいい瞬間を狙いがちですが、こういうのも良いですね。真っ直ぐ見据えた目線に、ぎゅっと閉じた口、まるで仁王像のような力強さ。モノクロでしっかり陰影をつけることで、ディテールが浮き彫りになり、硬い写真になる。この硬さが今作の魅力です。この子は将来大物になる。そう思わせる写真です。
第18回タムロン・マクロレンズフォトコンテスト 審査結果発表
Instagram:@yama_photogenic
目次
コンテストに応募するまで
前回、メルカリが主催していたギターオーディションの写真部門でファミリーアワードを受賞してから、機会があればまたフォトコンに出してみようと思っていたところ、タムロン主催のマクロレンズフォトコンテストがあることを知って、どうしようかなぁ、と考えていました。
というのも、私、マクロレンズ初心者なんですよね。写真自体は15年ほどやっているけど、マクロレンズは今年に入ってから始めたので、どうもマクロの視点が身についていない。いまだに実効F値に一瞬戸惑う始末です。
加えて、主に撮影しているのがこどもということもあって、あまり顔が写っているものを公表するのもなぁ、と。それに、こども以外はこのサイト用の物撮りメインで、「見た人に、いかに被写体をわかりやすく伝えるか」を考えて撮影しているので、作品という感じじゃない。
写真を撮影するという作業は、文章を書くという作業と同じで、何かを伝えるためには、その何か以外を切り捨てていく作業でもあります。
もちろん、これは作品作り的な感覚であって、日常をスナップしていく上では、35mm換算で焦点距離24mmくらいがよかったりしますよね。iPhoneをはじめとしたスマホのレンズもこれくらいの焦点距離になっているのも、そういうことだと思います。
私のメインレンズはNikon AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gです。基本的に被写体に近づくことができません。この感覚が染みついてしまっていて、物撮り以外で被写体にくっつくくらい寄る感覚がないのです。
写真をやらない人のは伝わりにくい部分ではあるのですが、小説家なら誰しも短編小説を書けるわけではないのと同じです。
というわけで、もうマクロの土俵で戦うのはやめようと。戦ったってそのスジの方たちに敵うわけないから。マクロレンズでもこういう視点で写真が撮れるんだよっていう方向性にシフトすることにしました。
SNSにこどもの写真を載せるということ
自分が高校生くらいになって、すでに自分の幼い時の写真がSNSにばらまかれてたら嫌じゃないかな、なんて思ってしまうんですよね。
あくまで個人的な信条なので、他人がやっていることに関しては何とも思わないし、むしろうらやましいくらいなのですが、どうも踏ん切りがつかない。
なので、基本的には顔が写っている写真は出さないのですが、今回は生後10日の写真だし、もうすでに別人だし、素っ裸で大泣きしている、みたいな写真じゃないから、まぁいっか。許せ、息子よ。
タムロンというレンズメーカ
タムロンというのは一般的にはカメラレンズを作っているメーカです。一眼レフやミラーレス一眼を使っている方ならたぶん知っているはず。
素晴らしいレンズがたくさんあって、私も昔、広角ズームレンズでお世話になっていました。水没してお釈迦になってしまいましたが。
レンズというのは個人の好みで決まるものなので、必ずしもメーカ純正レンズが優れているなんてことはありません。
私が現在Nikon純正レンズしか使っていないのはたまたまそうなったからです。
Nikon AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G EDというレンズ
今回のフォトコンはタムロンレンズでなくてもマクロレンズならなんでもOKということだったので、使用レンズはNikonのAF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED。
もともとこのレンズは作品作りというより、自分のサイトに使う写真を撮影するために購入した、いわば業務用レンズだったのですが、なんというか、マクロレンズっぽい写りをしないので、標準レンズとして使えるお気に入りレンズです。
タムロン含め、他にもマクロレンズの選択肢はあったのですが、Nikonのフィルムデジタイズアダプター、ES-2が使いたかったのでこのレンズになりました。
オートフォーカスがめちゃくちゃ早いです。爆速オートフォーカスで有名なAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VRと比べても遜色ありません。
まぁ、マクロレンズとして使うときはマニュアルフォーカスするんですけどね。
人に写真を見てもらうということ
コンテストに出すということは、選評があります(佳作や入選だとないこともありますが)。
昔は自分の写真をどうこう言われるのがあまり好きではなかったのですが、たぶん、ティーンの自尊心を引きずっていたのだと思います。
おっさんになったと言ってもいいのですが。
だって、写真は人に見てもらってなんぼじゃないですか。それで、思ったこと、感じたことを言ってもらえるって幸せなことです。少なくとも、言葉にできる何かを感じてもらえたわけですから。
おとなになると、一対一のコメントをもらえる機会は減ってきます。
でも、対等であってもなくても、批評されるというのは大切なことで、そういう機会を得られることこそ、文章であれ、写真であれ、表現することの意義だと思うんですよね。
それにしても、同じく写真を撮っている方のコメントを頂けるというのは良いですね。
これからも機会があればコンテストに出してみようと思いました。