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ロードバイク

初めての飛行機輪行で佐賀へ――土砂降りの福岡と10年ぶりの再会

6月26日 福岡へ

チェックイン締切3分前

福岡行きのフライトは10時出発。30分前までにチェックインする必要があるのだが、9時20分になっても、私はまだ成田空港の駐車場へ向かう車の中にいた。

これ、間に合うんだろうか。

朝からバタバタしていて、家を出たのは8時過ぎ。成田空港は広いし、もしかすると、かなりまずいかもしれない。

駐車場に着いたのが9時21分。バイクと荷物を抱え、Peach Aviationの受付へ向かって全力で走る(空港ではいつも走っている気がする)。

どうにか係員さんを見つけて、チェックインしたいと伝えた。

「まだ間に合うので、あちらの機械でチェックインしてください」

時刻は9時27分。締切まで、あと3分である。

輪行袋に入れたバイクと、預け入れ荷物を検査してもらう。どちらもサイズ超過で追加料金が必要になった。
あれ、バイクも追加料金なんだ。電話で問い合わせたときは大丈夫そうだったんだけど。
まあいいや。乗れれば。

今回の輪行袋のサイズでは追加料金が発生し、規定内に収めるには前後輪を外す必要があるとのことだった。とはいえ追加料金は3,000円程度で、クレジットカードも使える。
預け入れできないものは、あらかじめ手荷物へ移してあったので、その後の手続きはすんなり終わった。

飛行機に乗るとすぐに眠ってしまい、気がつけば福岡である。

福岡空港でバイクを組み立てる

預けた荷物が出てくるのを待っていると、バイクは係員さんが別の場所から丁寧に運んできてくれた。

輪行袋を受け取り、空港の外へ出る。風はほとんどないが、まあまあの土砂降り。

雨ざらしにならずに済みそうな場所を見つけて、バイクの組み立てを始める。連日練習してきた成果もあり、作業は思っていたよりもすんなり終わった。

今回の旅には自転車以外の目的もあるため、60Lの登山用ザックはパンパンである。見た目だけなら、日本一周でも始めそうな装備になっている。

レインウェアを着込み、いよいよ出発する。

本日のメインイベントは、福岡に住んでいる高校時代の親友と会うことだ。待ち合わせまで時間があるため、それまでは博多周辺を走って観光することにした。

ビンディングシューズは乾いた状態で3日目に使いたいので、今日は防水のトレッキングシューズで走る。

土砂降りの中、牧のうどんへ

まずは腹ごしらえということで、空港近くの「牧のうどん」へ向かった。

通り過ぎるトラックや乗用車に、頭からざばざばと水をかけられながら、2kmほど走る。

私は東京出身なのだが、普段から九州醤油を取り寄せて使っているくらい、甘い味付けが好きである。

注文したのは、肉ごぼう天うどんとかしわご飯。

どちらも甘みが強く、かなり自分好みだった。うどんは関東のものと比べると太くて柔らかく、食べている間にもどんどんスープを吸っていく。

テーブルのやかんに入っているのは追加用のスープだった。こちらはうどんのつゆとは少し違い、関東の白だしに近い、甘みの少ない塩気の強い味だった。

もりもり食べていると、店員さんに声をかけられた。

「どちらからいらしたんですか?」

「茨城です」

「自転車で?」

店員さんがぎょっとする。

さすがに、そこまで冒険野郎ではない。

店を出ても雨は続いていたが、先ほどより少し弱くなっていた。遠回りをしながら、博多駅へ向かうことにする。


まぁ確かに茨城から走ってきてそうな荷物だね。

重い登山ザックは自転車に向かない

今回の旅で自転車に乗って行きたかった場所は、志賀島、脊振山越え、糸島市の二見ヶ浦、そして関東ではなかなか見かけない屋台ラーメンだった。

これらを初日と3日目に分けて巡るつもりだったのだが、今日は天気が悪い。友人との約束を最優先にし、福岡市内を大きく回りながら博多駅へ向かうことにした。

30kmほどの距離を、2時間ほどかけて走る。

しかし、身体にしっかりフィットする登山用ザックなら、自転車で使っても問題ないだろうという考えは大間違いだった。

登山用ザックは、本来、荷重を腰へ分散させて背負うものである。そのうえで、中身の重さや形を考えてパッキングする。

ところが、ロードバイクで前傾姿勢になると、腰で受けていた荷重が背中側へ移動してしまう。今回は重いものを上の方へ入れていたため、その重さをほとんど肩で受け止めることになった。肩にかかった重さは腕に伝わり腕がしびれる。
さらに、雨で身体が冷えたせいか、右膝にも早くも違和感が出てきた。

今日はあまり走らず、博多から電車輪行で佐賀へ向かった方がいいかもしれない。

待ち合わせ場所の博多駅前には地下駐輪場があった。とりあえずバイクを停め、重い荷物を背負って駅へ向かう。

10年ぶりの再会

友人とは、ほぼ10年ぶりの再会だった。

見た目がすっかり変わっていたらどうしようと思っていたが、体型も顔もほとんど変わっていないのは、お互い様だった。

歩いて焼き鳥屋へ向かい、酒はほとんど飲まないので、ソフトドリンクと適当な料理を注文する。

高校時代のことや、お互いの仕事について話しているうちに、10年分の空白はすぐになくなった。

あまりもったいぶっても仕方がないので、今回私が九州まで来た本当の目的について話すことにした。

私がロードバイクに乗り始めた理由と、それが今回の旅につながっていること。翌日、佐賀で大切な人の法事があること。

適当に生きていたとしても、この年齢になると、いろいろなことがある。

友人は、最後まで口を挟まずに話を聞いてくれた。

10代から続く友人というのは、この年齢になると特別なものだと思う。

意識しなくても、お互いにちょうどよい距離を保てる。そういう関係だからこそ、この年齢まで続いているのだろう。

そして、どれだけ長い時間を空けて再会しても、不思議と違和感がない。

初めての電車輪行

博多駅から、友人の住む鳥栖駅まで電車で移動することにした。

地下駐輪場へ戻り、友人の前でバイクを分解して輪行袋へ入れる。飛行機輪行に続いて、今度は初めての電車輪行である。

10kg近いザックを背負い、さらに10kg近い輪行袋を肩にかけて移動するのは、想像以上にきつかった。

幸い電車はそれほど混んでおらず、先頭車両の端に輪行袋を置くことができた。しかし、乗り換えを2回挟んでの移動で、鳥栖駅に着く頃にはすっかり疲れ果てていた。

鳥栖駅に着くと、友人がホテルまで車で送ってくれると言うので、ありがたく甘えることにした。

正直、ここからもう一度バイクを組み立てて、10km先のホテルまで夜の雨の中を走る元気は残っていなかった。

車の中では、高校時代の話になった。

17歳だった自分たちに、20年後、九州の夜道をロードバイクを積んだ車で走ることが想像できただろうか。

ホテルに着き、車からバイクを降ろす。

「じゃあ、またそのうち」

そう言って、友人の車を見送った。

その後の記憶は、ほとんどない。

気がつくと朝になっていて、お湯が注がれたカップ麺が伸びきって放置され、靴も脱がず、レインウェアを着たまま眠っていたらしい。

疲れていたとはいえ、着たまま眠れるレインウェア。
やはり、すごいな。

本日の教訓

・雨の日は膝が冷える。
・重いリュックは絶対に駄目。ロードバイクでは腰へ荷重を逃がせない。
・旅先では現金が必要。
・輪行での移動は、走るのとは別の意味でかなり疲れる。

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